9/22(金)うみかぜテラスにて、ウクライナ伝統のエッグアート「プィーサンキ」の制作講座(5回シリーズの3回目)が開催されました。
講師のテチャーナ・ソロツカさんが今回選んだモチーフは「雄鶏」。鳥は、太陽信仰があった古代ウクライナでは太陽に最も近づくことができる生き物として崇められ、やがて春と豊作、繁栄を表すシンボルとなりました。中でも夜明けを告げる雄鶏は、太陽そのものを象徴するモチーフとしてプィーサンキに多く描かれてきました。
さて、直線が中心だった過去2回(7月・8月開催)のデザインと比べ、今回のデザインは曲線中心で「見るからに絵心を必要としそう」。そんなこちらの不安を察してか、「大丈夫!いつも通りステップバイステップで進めます。」というソロツカ先生の言葉で講習はスタートしました。
いつもの白卵ではなく、優しい色合いのサクラ卵に鉛筆で下書きをします。後ろに向けた首、大きな翼、3枚の尾羽根、一方は蹴り上げもう一方は地面につけた脚、と順番に描いた後、トサカや細かな模様を加えて表の下書きが完成。
次は裏面。表裏同じモチーフを描くことが多いプィーサンキですが、今回裏面には大小2輪の花を描きました。こちらも雄鶏と同じく曲線中心です。下書きが終わり鉛筆をキスカに持ち替えた頃には、卵の曲面に曲線を描くことにだいぶ慣れた気がしました。
下書きを全てミツロウでなぞった後は染色です。着色を促す酢に数秒浸けた後、ゴールド→スカーレットの染料に続けて浸けます。工程は同じでも、浸け時間や卵によって色の出方は人それぞれ。思った通りの色になってもならなくても、そこがプィーサンキのおもしろいところです。
次に、染まった色に残したい部分をミツロウで塗りつぶします。「今の色と次に染める色、2つの色が交互になるように考えて。」とソロツカ先生。先生がいつも言われる「プィーサンキ作りは脳に効く」という言葉を実感しました。
2度目の染色をダークレッドで施し、雄鶏・花の残った部分を全てミツロウで塗りつぶしたら、卵を洗って一度元のサクラ色に戻します。これは、背景をきれいに染めるための作業です。
あらためてお好みのブルー系の染料で染めたら、いよいよクライマックス、卵の表面のミツロウを全て溶かして拭き取ります。
現れたのは、柔らかいサクラ色の輪郭を持った、それはかわいい雄鶏のプィーサンキでした。
今回は、13名の方にご参加頂きました。お互いに次のステップを確認したりデザインを相談したりと、楽しく和やかに作業ができました。準備や後片づけも手際よくお手伝い頂き、ありがとうございました!
次回開催 日時:11月24日(金)9:30~12:30(申込10/28~)
場所:うみかぜテラス 地階 美術工作室
詳細、申し込みはこちらから → https://www.chigasaki-iac.org/activities/rikai/pysanky
お知らせ:予定していた10/27(金)の講座は、都合により12/22(金)に振り替えさせて頂きます。